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後藤です。
あなたは、このような経験をしたことありませんか?
最初、全く興味がなかった音楽を何度も聴くうちに、だんだんと好きになった経験だったり、また何とも思わなかった人に対して、会う度にだんだんと行為を持った経験があるはずです。
このような心理現象を「ザイオンス効果」(単純接触効果)と言います。
「思い返したらそのような経験あったな〜」
と思うのは私だけじゃないはずです。
ザイオンス効果というのは人だけでなく、先ほどの音楽や物、味、匂いなど様々なものに対して効果があります。この効果は、マーケティングにも応用出来ますので覚えておいて損はありません。
私は最初、"ザイオンス効果"という言葉すら知りませんでしたが、マーケティングにも応用できるということで取り入れていきました。今ではザイオンス効果を実感しております。
ただ、ザイオンス効果を中途半端に覚えると逆効果になってしまう場合もありますのでこちらの記事でしっかりと学んで頂ければと思います。
ザイオンス効果とは?身近なものだと広告(CM)や自分自身
ザイオンス効果(Zajonce effect)は、ポーランド出身のアメリカ社会心理学者、ロバート・ボレスワフ・ザイアンス(Robert Bolestaw Zajonc)の論文によって発表されたものです。
「ザイアンスの法則」「ザイアンス効果」とも呼ばれますが、日本語でザイアンスの名前を「ザイオンス」と表記されることから、
「ザイオンス効果」
「ザイオンスの熟知性の法則(単純接触効果)」
と呼ばれています。
発表された論文には以下のような実験結果が記されていました。
ザイオンス効果を決定付けた実験
実験内容は以下の通りです。
- 大学生を対象に、卒業アルバムの中からランダムに12人の写真を選んで被験者に見せます
- 各写真を見せる回数は写真一枚一枚によって見せる回数を変える(見せる回数は1回〜25回とばらつきを作ります。)
- 12人の写真を全て見せ終わってから全ての写真を並べます
- 被験者に一番好印象の写真を選んでもらいます
すると、25回見せられた写真を選ぶ傾向が多かったそうです。
また、別の実験では、写真ではなく色んな形をした図形を同じように12個見せます。同じ図形を見る回数は被験者ごとに差をつけていき、同じ図形を5回見る被験者もいれば、25回見る被験者もいるようにしたそうです。一回ごとに図形を見せる時間は2秒。
全ての図形を見せた後に、「見た目だけで、最も印象が良かった図形はどれだったか?」点数を付けてもらいました。
すると、肯定的な評価を受けた図形は、"もっとも頻繁に見せられた図形"でした。
図形を見せる時間を2秒より短く(脳が意識的に判別できない時間)しても同じ効果が出たそうです。
このことからザイオンス効果は、"無意識に作用する"ことがわかりましたので、本人は気づいていなくても無意識に繰り返し接触していることで、効果があるということがわかります。
日常で起きているザイオンス効果
私たちが日常で体験しているザイオンス効果が「テレビCM」です。初めて見るタレントや商品、流れる曲にも最初は興味を抱きません。
ところが、同じCMを何度も目にするうちに、
- タレントに好感を持ったり
- キャッチコピーやセリフを覚えたり
- 流れている曲を口ずさんだり
とそのような経験ありませんか?
実はこれにはザイオンス効果があり、買い物で商品を選ぶときに、知らない商品よりも「知っている商品」の方が身近に感じるのです。
なので、身近に感じる商品の方が購入率も高くなるので、ザイオンス効果が効いているのです。
テレビCMや広告では、消費者の記憶に素早く定着させるために、短期間の間に多くの露出を狙っていますので、同じ広告費を使うのであれば、長期間に渡って散発的なCMを流すより、短期間で集中的にCMを放送する方がいい結果が期待できます。
もっとも身近なザイオンス効果は自分自身
実は、もっと身近なところでは、自分自身にザイオンス効果が心理現象として一番効いています。
なぜなら、普段自分の顔は鏡を通して見ることが多いと思いますが、鏡は光の反射を利用しているものなので、全て右と左が反対に写ります。
しかし、私たちの顔は左右対称ではありません。
人は左右非対称の顔をしているため
- 右目の方が大きい
- 左側の口角が下がっている
- 鼻の位置がずれている
など、人によって左右で違いがある部分は異なりますが、どこかしら非対称な部分があり、左右のバランスが微妙にずれています。
私たちは、鏡に映る左右反転した顔を普段から見慣れているので、左右反転していない自分が写っている写真や動画を見ると違和感を感じてしまいます。
声も同じで、普段聞いている自分の声は、頭蓋骨に響いた声を聞いています。自分以外の人には頭蓋骨に響いていない声が聞こえているので、自分の声を録音したり、動画で喋っている自分の声が、
「いつもの自分の声じゃない、すごく変な声・・・」
と違和感を感じてしまします。しかし、実際自分以外に聞こえている声なので、安心してください。
普段見慣れているものや、聞き馴染んだものが「心地いい」と感じてしますのはザイオンス効果によるものだからです。ですので、普段から自分の写真や話している動画を見慣れていれば違和感は弱くなります。
ザイオンス効果が身近なところで起きていることがわかったところで、次は、恋愛や復縁に効果があるのか解説していきます。
ザイオンス効果は恋愛や復縁に最も効果あり?
ザイオンス効果は恋愛において一種のテクニックとして応用できます。
会う時間の長さよりも、接触する回数の方が意味を持ちます。
なので、好意を寄せている相手には何度も会うことが大切なんです。会う回数が増えrばそれだけで親近感が沸きますし、「決まった場所・決まった時間」で会うならなおさら効果があります。
私がキャバクラで店長をしていた時にこんなエピソードがあるのを思い出しました。
キャバクラで働く女の子はお客さんを呼んで売上を上げたり、指名本数を取ったりします。(指名本数はセット数=本数です。お客さんが3セットいたら指名本数3本です)
女の子はお客さんをお店に呼ぶのが仕事ですが、この「呼ぶ」のって結構大変なんですよね。
それで当時、アドバイスとして言っていたのが「マメな連絡」でした。
連絡の仕方も色々あって、その方法全てを説明すると物凄く時間がかかるので割愛しますが、連絡の仕方の1つで「同じリズム、同じ時間帯で連絡する」という仕方があります。
どういうことかと言うと、例えば自分を指名じゃない(まだ興味がない)お客さんに連絡する場合、だいたい返事が返ってくることは少ないです。
そういう場合は、先ず興味を持ってもらうために寝る前に一言
「お仕事お疲れ様、おやすみなさい」
だったり、朝に
「今日もお仕事頑張ってね!」
とかを毎日でもいいし、一日置きでもいいので連絡するんです。
そうすると、一定のリズムで女の子から連絡があるので「今日も連絡あるかな?」と気になりだしたりします。
お客さんがそういう心理状況になったら、駆け引きでワザと連絡をしなくなったり、絵文字全開だったのに急に素っ気ない文章にしたりするとお客さんは「何かあったのか?」と気になって連絡したりするんです。
こういう駆け引きを仕事として教えてました。笑
私がザイオンスの効果を学んでいる時に
「前から、知らず知らずのうちに使ってたんだな」
と感じたエピソードでした。
あと、ザイオンス効果は一度破局してしまった関係にも効くと言われています。
私は、以前付き合っていた彼女と同棲していたのですが、私の転勤をきっかっけに遠距離恋愛になったんですね。遠距離だと当たり前なんですが、毎日会うことはないので顔を合わす機会も少なくなります。
そうなると、環境の変化ですれ違いになる事が多くなり、結局別れてしまいました。
もし、当時の私がザイオンスの効果を知っていたら、短時間でも会いに行って、顔を合わせてたら、もしかしたら復縁できてたかもしれません。
ザイオンス効果を営業やマーケティングで活かす方法
営業マンが営業成績を上げるために応用できる心理学はいくつもありますが、そのうちの1つがザイオンスの効果です。
ザイオンス効果は、
- 営業マン
- WEBマーケティング
にも活用することができます。
なので、その2点について解説していきますね。
1、営業マンの場合
接触回数が多いほど好感が持ちやすくなるのがザイオンス効果でしたね?
ここで問題です。次の2つの行動でザイオンス効果があるのはどちらでしょう?
- できるだけ多くの見込み客を訪問し、一度断られたら行かない
- ある程度訪問する見込み客を絞って、何回も足を運んで話をする
あなたはすぐ分かったと思いますが、正解は「2」です。
数をこなすのではなく、質が大事なんですよね。しかも、別に商品を売らなくてもいいんです。商品を売るために訪問するだけが営業ではありません。
営業ばかりしていたら、訪問の度に帰らされるだけですからね。実際の営業では、「訪問回数を多くすると、その訪問回数の2条で発注量が増えていく」と言われています。
このように、ザイオンスの効果はとても強力な営業手法の1つです。
商品を買うかどうかわからない人に対して、手当たり次第アプローチするのではなく、商品を買いそうな見込み客に対して何回も訪問し、アプローチする事で営業成績が上がっていきます。
2、WEBマーケティングの場合
最近では企業単位でSNSに登録しているのをよく見かけます。
Facebook、Twitter、Instagramなどで、定期的に自社の商品を紹介しているのは、ザイオンス効果を狙ったものです。
また、リターゲティング広告はザイオンス効果の高い広告手段でこちらもよく見かけます。※リターゲティング広告とは、以前商品を見ていた商品を後日、別のサイトで広告として表示することです。
こちらもザイオンス効果を狙った戦略です。
至る所でザイオンス効果が使われてるのがわかりましたね?実は私も意図的にザイオンス効果を使っていますので紹介しますね。
ザイオンス効果は文章(メールやLINE)にも効果があるのか?
私は、ザイオンス効果をネットビジネスで応用しています。一番わかりやすいのがメールマガジンです。
ステップメールを使うことでザイオンス効果を得られています。※ステップメールとは、読者がメールマガジンを登録してくれた日から、予め設定しておいた日にち、時間にメールを自動で送ることです。
メールマガジンを発行する事で自動で接触回数も増やせるので、正しい方向で使えば自動で収益につながります。
現在、日本ではメッセージアプリとしてLINEが主流ですが、LINE@(ビジネス向けのLINEアカウント)でもステップメールを設定し自動で送る事ができるので、LINEでのアプローチも可能となりました。
ここまでザイオンス効果の特徴、メリットをお伝えしましたが、上手く使わないと逆効果にもなってしますので次で解説していきますね。
ザイオンス効果には一定の法則や回数があり、逆効果にならない為の使い方
気をつけて欲しいのが、ザイオンス効果は「嫌い」を「好き」にさせるような魔法のテクニックではありません。印象が悪いまま接触回数を増やしたところで悪い印象がどんどん大きくなるだけです。
ザイオンス効果が逆効果のパターン
好きな女性にザイオンス効果で気になってもらおうと毎日会いに行ったり、連絡を取っていても、相手が自分のことを嫌いなら余計に嫌われてしまいますし、ストーカーだと思われてしまいます。
なので、ザイオンス効果を意識する前に「第一印象をよくすること」を心がけていきましょう。
良い印象を悪くしてしまうザイオンス効果
悪い印象のままザイオンス効果を試しても意味ないのはわかりましたね。
しかし、良い印象からザイオンス効果を使っても悪い印象になることもあります。
例えば、先ほどのメールマガジンですが、毎日毎日セールスばかりのメールを発行していると印象はどんどん悪くなります。
せっかく、良い印象を持ってくれてメールマガジンを登録してくれても、悪い印象になってしまったら勿体無いですよね。
なので、相手のことを考えた内容・ボリュームにしたり、相手の望んでいない売り込みを頻繁にしないようにしていきましょう。
ザイオンス効果も回数に限度がある
ザイオンス効果の実験では、印象が変わる回数には限界があることがわかっています。
ピークは10回と言われており、それ以上は何回接触しても印象は変わらないです。
もし、10回以上接触しても効果がない場合は、これ以上同じように接触しても期待できないので、見た目やアプローチの変化で印象を変えてから改めて接触していきましょう。
そこの見極め方は実践していくうちに経験として糧になりますので、どんどん試していきましょう。
まとめ
ザイオンス効果について解説しました。闇雲に使っても効果は期待できませんので、効果的に使っていきましょう。
ザイオンス効果のように心理学をマーケティングに活かしたコピーライティングというものもありますので、こちらの記事も参考にしてください。
【参考記事】
私のメールマガジンではザイオンス効果のような心理テクニックの使い方をメールマガジンでもお伝えしていきますので、学びたい方は登録お願いします。
